2008年03月13日

Coyote 柴田元幸「文学を軽やかに遊ぶ」

Coyote (コヨーテ)No.26 特集:柴田元幸[文学を軽やかに遊ぶ]楽しみにしていた、coyoteの柴田元幸さん特集。


書き下ろしのエッセイ、翻訳短編、読書案内、そしてミルハウザーの特別寄稿「柴田元幸について」が岸本佐知子さん訳、とツボ満載。


coyoteもほんと、いい雑誌ですよね。


大事に楽しもう。確定申告作業の合間に・・・(締め切り直前・・・はじめたばかり・・・)。

投稿者:尾原美保 13:45 | コメント (4) | トラックバック (0) |

2006年05月31日

米原万里さんの本

不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か 魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章 ガセネッタ&(と)シモネッタ
昨日、ロシア語通訳者で作家でもある米原万里さんが亡くなったと知りました。闘病中であることを公表されていたそうですが、それさえ知らなかったので、とても驚きました。


米原万里さんといえば、通訳者はもちろん、翻訳者でも知らない人はいないのではないでしょうか?画像の3点は通訳者ならではの言葉に関するエッセイです。「言葉を訳すってこんなことなんだ」ということがよく分かるので、通訳者、翻訳者やその志望者には、とても「ためになる」本です。


それだけでなく、これらは読み物としても抜群におもしろいです。米原さんは非常にユーモアのある方で、エリツィン大統領来日時の通訳を務めたほどの第一級の通訳者でありながら、「シモネタ好き」と公言し、親友であったというイタリア語通訳者の田丸公美子さんとの対談(ここで読めます)などでは、豪快にそれを披露。どの本にも、そのお人柄や個性が本当によく表れています。


最近は、ノンフィクション(嘘つきアーニャの真っ赤な真実:大宅壮一ノンフィクション賞受賞)や、小説(オリガ・モリソヴナの反語法:Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞)の他、必笑小咄のテクニックパンツの面目ふんどしの沽券などというおもしろい本を出され、作家としてますますご活躍されるだろうと思っていたのですが・・・


米原さんの頭の中には「本にしたいたこと」がまだまだたくさんあったのではないかと思います。まだ56歳。これからも新しい本がたくさん生まれるはずだったのにと思うと、とても残念です。


ご冥福をお祈りいたします。

投稿者:尾原美保 00:07 | コメント (5) | トラックバック (1) |

2006年05月27日

用字用語事典

’05-’06年版 朝日新聞の用語の手引記者ハンドブック -新聞用字用語集 第10版-用字用語事典ということば、聞いたことがないという方も多いと思います。聞いたことがある、使っているというのは、出版関係のお仕事をされている方が多いのではないでしょうか?


こうした事典はマスコミ関係者には必携の書で、画像は共同通信社と朝日新聞社のものですが、他にも講談社NHKのものなどがあります。


最近は(自分もそうですが)ブログ人口も多く、たくさんの人が「文章を書く」ようになりました。たとえば、自分のブログに「本当だ」と書きたいと思ったら、どう書くでしょう?

「本当だ」
「ほんとうだ」
「ホントだ」
「ホントーだ」


などなど、人それぞれだと思います。気分によって変わる、という方もいるかもしれません。


個人のブログであれば、これでまったく問題はないのですが、それが「マスコミの仕事として」となると、話は別になります。


たとえば、新聞社には新聞記者さんがたくさんいて各人が記事を書くわけですが、

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投稿者:尾原美保 23:47 | コメント (6) | トラックバック (0) |

2006年05月08日

翻訳教室

翻訳教室ゴールデンウィークも終わりましたね。私のような「フリーランス」の場合、カレンダーは関係ない・・・はずなのですが、カレンダー通りに休みになる家族がいるとなると、やっぱり生活はカレンダー通り・・・になってしまうのですよね。


ということで、お休みが明けた今週は、「お仕事モード」でがんばろうと思います!本もまずは翻訳に関するものから・・・


私の敬愛(という言葉がふさわしいかどうかは分かりませんが)する、翻訳者・柴田元幸さんのその名も翻訳教室という本です。帯には東大文学部 翻訳演習 完全収録とあります。


柴田さんは、東大文学部の教授でもあるのですが、その講義の内容を本にしたものなのです。編集者の方は、毎回教室にやって来て(かなり、うらやましい・・・)テープその内容を録音していたとか・・・それが元になっており、9つの「課題」について「擬似講義」が受けられるという仕組みです。


課題文はもちろんのこと、学生の訳、それについての「教授」のコメント、それを元にした修正訳、そして教師訳例(つまり柴田さんの訳!)まであるので、本気で勉強できそうです。


「原文と柴田さんの訳例が両方あるので勉強できる」という点では、

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投稿者:尾原美保 13:21 | コメント (2) | トラックバック (1) |

2006年04月04日

明鏡国語辞典

明鏡国語辞典 携帯版翻訳者としては、英和辞典も必要ですが、日本語を書く仕事である以上国語辞典にもお世話になります。


私は持っていないのですが、明鏡国語辞典 携帯版の新装発刊を記念して、みんなで作ろう国語辞典!「もっと明鏡」キャンペーン というのをやっていたそうです。


国語辞典に載せたい言葉や意味・例文を募集したもので、この度、大賞と最優秀作品賞が決まりました。


大賞になった語の一覧を見ましたが、地域性や年代も関係するのか、私にはなじみのない言葉もありましたが(「みるい」、「場面で」、「与謝野る」など)、でも、語釈や例文など読んでいると、応募者が一生懸命考えているんだなーというのが、よく分かり、とてもおもしろかったです。


私の「ツボ」(この語は大賞でした)にはまったのは、高校生が「小悪魔」の説明をしていたこと。京都の中学生が「二個一」の例文を関西弁で書いているのもほほえましかったし、「俄然」は、中3生が書いたとは思えないくらいしっかりしていました。


応募作品は、辞書編集の資料となるほか、書籍などでも発表されるそうです。おもしろそうですね。

投稿者:尾原美保 09:28 | コメント (0) | トラックバック (0) |

2006年03月27日

英和辞典いろいろ

リーダーズ英和辞典 リーダーズ・プラス 小学館ランダムハウス英和大辞典

仕事が一区切りついた!と思いきや、その途端体調を崩してしまいました・・・仕事が忙しくても、2、3日に一度はエントリーを書くぞ!と意気込んでいましたが、体調が悪くなることは想定していませんでした・・・ので、久しぶりの更新です。


仕事といえば、専門の辞書の紹介はしましたが、肝心の英和辞典のことを、何も触れていないことに気づきました。ということで、今日は翻訳者の必需品、英和辞典をいくつかご紹介しようと思います。


翻訳を学習中、特に職業とすることを目指している方は、収録語数の多い辞書を1冊は持っておくにこしたことはありません。辞書に載っていない固有名詞などは、インターネットや、専門の辞書で調べることになるので、固有名詞などを含めて収録語数が多い=調べ物をする時間が減るからです。


その点からお勧めなのが、まずはリーダーズ英和辞典リーダーズ・プラス。これらはそれぞれ、27万語、26万語を収録しています。固有名詞の充実度は「プラス」の方が上なので、2冊で1セットとして揃えることをお勧めします。


そして小学館ランダムハウス英和大辞典です。これは1冊で34万5千語が収録されています。


翻訳者はこれらを常用していることが多いです。そして、これらは紙版ですが、時間の削減という点でお勧めしたいのは、

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投稿者:尾原美保 12:46 | コメント (0) | トラックバック (0) |

2006年03月19日

専門の辞書いろいろ

しぐさの英語表現辞典西洋絵画作品名辞典私は画家の翻訳をしたことがあります。「画集」ですから、絵のタイトルがたくさん出てきます。もちろん英語です。


たとえばレオナルド・ダ・ヴィンチの「Mona Lisa」と出てくれば、それが「モナリザ」であることは辞書を引かなくても容易に分かります。本当は「モナリザ」なのか「モナ・リザ」なのかを調べるために、辞書などを調べないといけませんが、それにしても、調べるのは比較的簡単です。ゴッホの「ひまわり」や、モネの「睡蓮」あたりもそうです。大きな辞書や画集には出て来る範囲でしょう。


ですが、出てくるのはそうメジャーな絵画だけではありません。たとえば、ドガの「Ballet Scenes」という絵は、日本ではなんというタイトルで呼ばれているのだろう? そういうときに使うのがこの
西洋絵画作品名辞典です。ルネサンスから現代まで画家630人、作品3万点の絵画の日本語、原語のタイトルが収められています。画家のアルファベット順にならんでいますし、絵画名、主題などのインデックスもあるので、使い勝手もとてもいいです。ということで、私は「絵のタイトル」を調べないといけないときには、まずこの辞書を引きます。それでも出てこないときは、画集やインターネットで調べていきます。


これはアート系の書籍の翻訳の必携書ですが、他にも分野に応じた様々な辞書が必要になります。私は建築関係の書籍をやることも多いのですが、その際に重宝しているのが、

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投稿者:尾原美保 15:09 | コメント (0) | トラックバック (0) |

2006年03月11日

ダーリンの頭ン中

ダーリンの頭ン中ダーリンは外国人―外国人の彼と結婚したら、どーなるの?ルポ。は、国際結婚された漫画家さんがその実情を漫画にしたもので、とても話題になりました。続編もたくさん出ていますが、その中でも「ことば」にまつわる話を集めたのが、このダーリンの頭ン中です。


「漢字ってすばらしい」、「 「と」 はずるい」など、おふたりのやり取りが具体的なエピソードとなっている上、漫画ですし、おもしろくてさっと読んでしまうんですが、実は、内容はとても奥深いものだと思います。英語と日本語の本質的な違いを考えさせられるような話も多く、「翻訳」する際にもその考え方は役立ちます。ということで、翻訳者志望の方は、ぜひ一度読んでみてください。


ところで、ご主人のトニー・ラズロさんは、「ハンガリーとイタリアの血を受けついで、アメリカで教育を受けた」そうです。なので、その3ヶ国語はもちろん、さらに中国語、スペイン語、ドイツ語も得意だとか。そして、さらに日本語!すごいですよね。


自他ともに認める「語学好き」で、その博識ぶりは、この本の巻末に載っている「言語学者の先生との対談」を読むと分かります。専門家と渡り合って、話しているんですよ! しかも日本語で・・・。


トニーさんは、ご両親の国籍が違い、さらにそれらとも違う国で育ったということで、昔から「ことば」に対する感覚というか、感受性が強かったのではないかなと思います。だから、その他の国のことばにも興味が向き、勉強しても習得が早いので、何ヶ国語もマスターできたのではないでしょうか?


最近、子どもの英語教育がよく話題になりますよね。小さい頃から、英語がしゃべれるようになっていれば、大人になってからも忘れなくて苦労がないので、ものすごく小さいときから英語を学ばせる・・・

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投稿者:尾原美保 00:15 | コメント (0) | トラックバック (0) |

2006年03月06日

英文法の本

英文法解説ユリイカ・翻訳作法のエントリーでも触れましたが、今日は英語の文法書のお話をしたいと思います。


英語を勉強している方、特に翻訳をこれから仕事にしていきたいと思っておられる方は、自分が使いやすい文法書を手元において、「分からないことがあればすぐ調べる」ように心がけることをお勧めします。文法書は1冊でいいです。複数ある必要はありません。1冊を「どこに何が書いてあるか覚えるくらい」まで使い込む方がいいと思います。その方が、調べる時間が節約できるし、頭にも入りやすいはずです。


お勧めの文法書ですが、私はこの英文法解説を使っています。


1から18の章に分かれているのですが、章ごとの完成度が高くて独立しているので、どの章から手をつけても大丈夫なつくりになっています。練習問題もありますから、「苦手なところ」があるのなら(例えば仮定法とか、時制とか)、その章をじっくりと勉強することができます。


索引も充実していて、英語、日本語の両方のIndexがありますから、「英文を読んでいて、分からないところがあったら調べる」という使い方ももちろんできます。守備範囲も申し分ない広さです。少なくとも私は、この本で「調べたかったことが載っていなかった」という経験はありません。 
 

他に、評判がいいのは、

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投稿者:尾原美保 13:13 | コメント (1) | トラックバック (0) |

2006年03月02日

ユリイカ 「翻訳作法」

ユリイカ 2005年1月号 特集 翻訳作法昨日に続いて、仕事がらみの本を1冊。


ユリイカという「濃い」雑誌が翻訳を特集するということで、買いました(去年のことでですが)。内容は予想通り、濃いものでした(笑)。もちろん、いい意味で、です。


特集名は翻訳作法といい、その名の通り数十人の翻訳家の「翻訳作法(翻訳するにあたって心がけていること)」などが紹介されているのですが、私の一番のお目当ては柴田元幸さんの翻訳作法でした。翻訳夜話もそうなんですが、この方の「翻訳論」が好きなんです。


柴田さんはいわずと知れた東大教授であり人気翻訳家。アメリカ文学がご専門です。私はアメリカ文学自体にはあまり興味はないし、自分が翻訳しているものも全然違った分野の本なのですが、とにかくこの方の「翻訳論」は勉強になるというか、頷かされます。なので、これまで柴田元幸さんが「翻訳(方法)について語っている本、雑誌」は必ず買ってきました。ある意味でコレクションですね。あっ、「必ず」といっても、知ったものについてだけなので、存在そのものをしらない雑誌なんかはまだまだあると思いますが(ちょっと弱気)。


何年か前には講演を聞きにいって、「句読点のつけ方」について質問したこともあったなあ。柴田さんは句読点にうるさい方なんですよ。これは色々なところで語っておられます。


他にも「翻訳は自己消去だ」とか、「原文のカメラワークを壊してはならない」とか、数々の「名言」があります。このユリイカでも、これらのことについては、やっぱり語られていました。(ので、どういうことかを知りたい人は、この本を読んでくださいね)。ですが、少なくとも私はこの本で初めて聞きました。

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投稿者:尾原美保 00:24 | コメント (0) | トラックバック (0) |

2006年02月10日

翻訳夜話

翻訳夜話今日は翻訳の話を少し・・・


「英語を使った仕事をしたい」と思った人がまず最初に思いつくのが、翻訳ではないでしょうか? 私もズバリそうでした。通訳など英語を話す必要がある仕事だと、英語が話せないとどうしようもない。だけど、英会話は簡単に習得はできない。もし、ある程度「しゃべれる」ようになったとしても、「大事な場面で相手が言っていることが分からなかったらどうしよう?」とか、「言いたいことが英語でうまく言えなくてパニックになったらどうしょう?」という不安は常につきまといます。


これに対して翻訳はどうでしょう? 翻訳は辞書などの力を借りれば何とかなる。通訳のような「瞬間芸」ではないので、ある程度時間もかけることができる。そもそも、受験英語などで「英文和訳」の経験はある。これに「毛が生えた」くらいのものじゃないの? だったら、自分にもできるんじゃないか・・・そんな風に思ってました。


でも「自分でもできそう」という思いは、「翻訳なんて誰にでもできるんじゃないか」という思いにもつながるんですよね。誰でも辞書を使えば英文の意味はわかるはず。そんなことをする意味なんてあるんだろうか・・・この二つの思いは、私の長年の翻訳に対する「愛憎」でした(笑)


翻訳家を目指し勉強を始め、ぼちぼちと仕事が入るようになってからも、こうした混沌とした思いは消えないままでしたが、そのときに光を与えてくれたのがこの本です。

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投稿者:尾原美保 15:34 | コメント (4) | トラックバック (0) |