【現役日本語教師が解説】日本語教師と国語教師の違いについて

現在日本国内で外国人の数が増加しています。その外国人に対して、日本語を教える日本語教師の需要がますます増加してきています。

 

一方で、皆さんの学生時代を思い出していただきたいのですが、皆さんは学校で国語を勉強されていましたよね?学校で皆さんに国語を教えていたのは、日本語教師ではなく国語教師と呼ばれる方々です。

 

日本語を教えるという点では共通している2つの職業ですが、実は全く違う職業なのです。では、2つの職業には具体的にどのような違いがあるのでしょうか?

 

今回の記事では、現役日本語教師の私が、日本語教師と国語教師の違いについて解説します。

日本語教師とは?

日本語教師とは、日本語教育を行う教師のことを指します。

日本語教育とは

文部科学省によると、「日本語教育は、日本語を母語としない者を対象として行われる言語教育である。」と定義づけられています。

 

参考:文部科学省 「今後の日本語教育施策の推進について―日本語教育の新たな展開を目指して―(報告)(抄)」

http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/t19990319001/t19990319001.html

日本語教育の目的

1.外国人が日本語を使ってコミュニケーションがとれる能力の構築

文部科学省では、「日本国内において生活する外国人がコミュニケーション言語として日本語能力を必要としている」と報告しています。

 

つまり、日本語教育の目的とは、日本に住む外国人が職務や日常生活で日本人とコミュニケーションをとれるようにすることなのです。

2.文化発信の基盤

文部科学省では、「今日の我が国にとって、国際社会の中で我が国への理解を深め、諸外国と共存していく上で、対外的な文化発信を積極的に行っていくことは極めて重要なことである。

 

また、「対外的な文化発信の基盤となり、我が国文化の「顔」となるのが海外における日本語教育であると言える。」と報告しています。

 

つまり、日本語教育の目的とは、海外の日本語教育を支援することで、日本語を日本文化を世界に発信する基盤にすることです。

国語教師とは?

国語教師とは、国語教育を行う教師のことを指します。

 

国語教育とは

国語とは一国の主体をなす民族が、広く使用している言語を指します。つまり国語教育とは、国の主要な言語を学ぶための教育です。日本に置き換えると、日本人に向けて行われる日本語教育を指します。

 

参考:goo辞書 https://dictionary.goo.ne.jp/jn/76750/meaning/m0u/

国語教育の目的

小学校の学習指導要領によると、「国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し、伝え合う力を高めるとともに、思考力や想像力及び言語感覚を養い、国語に対する関心を深め国語を尊重する態度を育てる」とあります。

 

参考:文部科学省 小学校学習指導要領 第2章各教科 第1節 国語

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syo/koku.htm

 

中学校の学習指導要領でも、ほぼ同様の内容です。

つまり、日本における国語教育の目的とは、日本人が母国語としての日本語を正確に理解して、思考力を養うということです。

日本語教師と国語教師の違い

教育指導の対象者

日本語教育の対象は主に日本語を母国語としない外国人です。一方で国語教育は、日本語を母語としている人が対象となっています。

 

教育目的の違い

日本語教師は主に、外国人が日本人と意思疎通ができるために日本力を養うことを目的としています。一方で国語教師は、日本人が日本語を正確に理解し、思考力を養うということを目的としています。

 

免許

日本語教師になるための資格はありますが、民間資格です。それゆえ誰でも資格取得が可能です。また、無資格でも教師になることは可能です。

 

一方で国語教師は、大学を卒業し教員免許を取得しなければなることができません。

まとめ

以上が日本語教育と国語教育の違いになります。一見同じように見えますが、中身は大きく違うことがお分かりいただけたでしょうか?

 

ご紹介した2つの教育は、急速に拡大する国際社会に対応するために重要です。外国人が日本で生活するために日本語教育は重要です。また、国際化に対応するため、日本人が外国語を学ぶ際には母国語である日本語の理解が必要なのです。

 

2つのどちらかに教育が傾いてしまうと国際化には対応できません。

 

しかし、急増する外国人数に対して日本語教師の数が追いついておらず、日本語教育の推進が滞っている現状があります。

今後この問題が解決し、2つの教育が連携するなど、国際化に向けてより教育が充実したものになることを願います。